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不動産の共有名義人が亡くなったときの相続手続き

  • 文責:所長 弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2025年12月17日

1 不動産の共有名義とは

不動産は複数人で共有可能な財産であり、共有状態にある場合には、登記簿において共有者の名義とそれぞれの共有割合が記載されます。

共有者は各自の持分割合に応じて不動産を所有し、売却や賃貸、担保設定などの行為をする際には、原則として全員または一定割合の持分の同意が必要になります。

この共有名義になっている不動産において、共有名義人が亡くなった場合、亡くなった方の持分は相続の対象となります。

このため、共有名義人の死亡後には、相続人が持分を引き継ぐための手続きが必要です。

2 亡くなった共有名義人の持分の相続手続きの流れ

⑴ 相続人の確定

不動産の共有持分に限らず、多くの相続財産の相続手続きをする際の前提として、亡くなった共有者の法定相続人を調査、確定させる必要があります。

相続人の調査は、一般的には、亡くなった共有名義人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本を取得することで行えます。

⑵ 相続財産の調査

亡くなった方が共有持分を持っていた不動産の詳細な情報を確認します。

具体的には、登記簿や固定資産税納税通知書、名寄帳などで確認します。

登記簿は法務局、名寄帳は役所で取得することができます。

⑶ 遺産分割協議

相続人の調査と相続財産調査が済みましたら、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの割合で不動産の共有持分を取得するかを決めます。

遺産分割協議は相続人全員で行わないと無効になってしまいますので、先述の相続人調査はとても重要なプロセスになります。

なお、相続人が1人のみの場合には遺産分割協議は不要です。

話し合いがまとまったら、その内容を記した遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書は、相続登記の際に必要な書類となりますので、形式的な面も含めて適切に作成する必要があります。

⑷ 相続登記申請

遺産分割協議書の作成を終えたら、亡くなった共有名義人の共有持分の名義を相続人に移す登記(相続登記)を行います。

相続登記を行わなければ、登記簿上は依然として亡くなった方の名前が共有持分権者として残るため、事実上売却等ができません。

また、2024年4月以降、相続登記は義務化もされています。

基本的には、相続によって不動産の所有権(共有持分権)を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。

正当な理由なく期限までに登記をしない場合、過料が科される可能性があります。

共有名義人が亡くなった場合の相続登記する際は、一般的には、次の書類や資料を用意し、管轄の法務局に申請します。

① 相続登記申請書

② 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

③ 被相続人の住民票除票または戸籍の附票

④ 相続人全員の戸籍謄本

⑤ 不動産を取得する相続人の住民票

⑥ 遺産分割協議書

⑦ 相続人の印鑑証明書

⑧ 固定資産評価証明書(登録免許税の計算に用いる)

⑨ 登録免許税

3 相続登記を専門家に依頼するメリット

2のとおり、相続登記をするためには、さまざまなことを行う必要があります。

民法や不動産登記法等の専門知識や、実務的なノウハウも必要とされます。

さらに、共有名義の不動産の相続登記は、申請書の書き方や登録免許税の計算が複雑になるなどの特徴があります。

そのため、特に共有名義の不動産の相続登記は、専門家に相談、依頼をするメリットが大きいといえます。

司法書士または弁護士であれば、相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書の作成、相続登記を任せることができます。

4 相続後の管理・活用の注意点

共有名義の不動産は、名義変更後も管理や利用に注意が必要です。

管理や維持費の負担については、トラブルを防止するためにも、共有名義人間で取り決めをしておく必要があります。

また、売却や賃貸をする際には、共有者全員または過半数の同意が必要になります。

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